獲得性吃音の特徴と心因性吃音や発達性吃音との違いも紹介 - HAPPY FOX

獲得性吃音の特徴と心因性吃音や発達性吃音との違いも紹介

  1. 吃音症の知識
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この記事では、獲得性吃音という言語障害について詳しく解説します。

獲得性吃音は、成人期に突然発症する吃音の一種で、心因性吃音という精神的なストレスやトラウマが原因で発症する吃音も含まれます。

この記事では、心因性吃音や発達性吃音との違いにも触れながら、獲得性吃音の特徴や原因、治療法、そして吃音を持つ人々への理解やサポート方法について詳しく説明します。

獲得性吃音とは

吃音とは、話す際に言葉が滑らかに出ない状態のことです。

吃音にはさまざまな種類がありますが、その中でも獲得性吃音は特殊なものです。

獲得性吃音とは、何らかの事故や病気などで脳に障害が生じたことによって、後天的に発症する吃音のことです。

ここでは、獲得性吃音の定義と特徴、原因、診断方法と治療法について詳しく説明します。

獲得性吃音の定義と特徴

獲得性吃音は、脳卒中や外傷性脳損傷、脳腫瘍などで脳の言語中枢や運動中枢に障害が生じたことによって起こる吃音です。

獲得性吃音は、発達性吃音や心因性吃音とは異なります。

発達性吃音は、幼児期から発達段階で起こる吃音で、主に言語能力や運動能力の未熟さが原因です。

心因性吃音は、精神的なストレスやトラウマなどが原因で起こる吃音で、主に自己イメージや感情の問題が関係します。しかし、獲得性吃音は、これらの要因とは無関係に、脳の機能障害によって引き起こされます。

獲得性吃音の特徴は、以下のようなものです。

  • 言語能力や知能に問題がない人でも発症する可能性がある。
  • 吃音のパターンや程度は個人差が大きく、脳の障害部位や程度によって異なる。
  • 吃音は主に単語や文頭で起こり、母音や子音の区別なく発生する。
  • 吃音は反復や延長ではなく、ブロック(声が出ない)が多い。
  • 吃音は自覚している場合もあれば、自覚していない場合もある。
  • 吃音は話す速度やリズムに影響を受ける。
  • 吃音は話す内容や場面によって変化する。
  • 吃音は話し手の感情や態度に影響を受ける。

獲得性吃音の原因

獲得性吃音の原因は、脳に障害が生じたことです。しかし、どのような脳の障害がどのような吃音を引き起こすかは、一概には言えません。脳の障害は、以下のようなものがあります。

  • 脳卒中:脳の血管が詰まったり破れたりして、脳に血液が行き届かなくなることです。脳卒中は、脳の左半球や右半球、前頭葉や側頭葉など、さまざまな部位に起こります。脳卒中によって起こる吃音は、障害部位や程度によって異なりますが、一般的には、左半球の障害では言語能力にも影響が出やすく、右半球の障害では感情や態度にも影響が出やすいと言われています。
  • 外傷性脳損傷:交通事故や落下事故などで頭部に強い衝撃を受けて、脳に損傷が生じることです。外傷性脳損傷は、局所的な損傷や広範囲な損傷があります。外傷性脳損傷によって起こる吃音は、損傷部位や程度によって異なりますが、一般的には、前頭葉の損傷では話す速度やリズムに影響が出やすく、側頭葉の損傷では話す内容や場面に影響が出やすいと言われています。
  • 脳腫瘍:脳の細胞が異常に増殖してできる塊のことです。脳腫瘍は、良性のものや悪性のものがあります。脳腫瘍は、圧迫や浸潤によって周囲の組織に影響を与えます。脳腫瘍によって起こる吃音は、腫瘍の種類や位置によって異なりますが、一般的には、進行性のものでは吃音の程度も進行すると言われています。

獲得性吃音の診断方法と治療法

獲得性吃音の診断方法は、主に以下のようなものです。

  • 病歴や身体所見:吃音がいつから始まったか、どんなパターンで起こるか、どんな状況で変化するかなどを聞きます。また、頭部や口腔内などを観察します。
  • 言語聴覚検査:言語能力や聴覚能力を測定します。吃音以外にも発話障害や理解障害などがあるかどうかを調べます。
  • 神経学的検査:反射や感覚などを調べます。運動障害や感覚障害などがあるかどうかを調べます。
  • 脳画像検査:CTやMRIなどで脳の状態を撮影します。脳卒中や外傷性脳損傷、脳腫瘍などがあるかどうかを調べます。

心因性と吃音の関連性

次に、心因性が吃音、特に獲得性吃音にどのような影響を及ぼすのかを見ていきましょう。

心因性吃音とは、心的なストレスやトラウマなどが原因で発症する吃音のことです。

獲得性吃音は、心因性吃音の一種で、成人期に突然発症するものを指します。

心因性吃音や獲得性吃音は、発達性吃音とは異なる特徴や原因を持っています。

ここでは、それらの違いについて詳しく説明します。

獲得性心因性吃音の特徴

獲得性心因性吃音は、成人期に突然発症する吃音です。

通常は、何らかの精神的なショックやトラウマがきっかけで起こります。例えば、交通事故や暴力被害、失恋や離婚などが原因となることがあります。獲得性心因性吃音は、このような特徴を持っています。

  • 吃音が一定ではなく、場面や相手によって変化する。
  • 吃音が強く出る場面は、ストレスや不安が高まる場面であることが多い。
  • 吃音が弱くなる場面は、リラックスしたり、歌ったり、ささやいたりする場面であることが多い。
  • 吃音が出る単語や音節に特定のパターンがない。
  • 吃音を隠そうとして、言葉を変えたり、言い直したりすることが多い。
  • 吃音に対して恥ずかしさや劣等感を感じることが多い。

心因性が吃音に及ぼす影響

心因性が吃音に及ぼす影響は、個人差がありますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。

  • 自己肯定感や自信が低下する。
  • 人前で話すことやコミュニケーションを避けるようになる。
  • 孤立感や孤独感を感じるようになる。
  • うつ病や不安障害などの精神的な問題を抱えるようになる。
  • 職業や学業などのパフォーマンスが低下する。
  • 社会的な機会や人間関係が制限される。

発達性吃音と獲得性吃音の比較

発達性吃音と獲得性吃音は、どちらも話す際に言葉が滑らかに出ない症状ですが、その原因や特徴は異なります。

発達性吃音と獲得性吃音の違いについて比較し、理解を深めましょう。

各吃音の原因の比較

発達性吃音の原因は、言語能力と口腔運動能力のバランスが崩れることによるものと考えられています。

言語能力が口腔運動能力を上回ると、話したいことを口に出すことができずに吃音が起こります。また、家族や周囲の人から無意識にプレッシャーをかけられたり、自分自身が完璧主義だったりすると、吃音が悪化する可能性があります。

獲得性吃音の原因は、脳や神経系の障害や損傷によるものと考えられています。

脳卒中や頭部外傷、脳腫瘍などによって、言語中枢や運動中枢が損傷されると、話す際に音声や筋肉の調節がうまくできずに吃音が起こります。また、心的外傷やストレスなどによって、神経伝達物質の分泌が乱れると、吃音が起こる可能性があります。

各吃音の治療法の比較

発達性吃音の治療法は、主に言語聴覚士による言語療法です。

言語療法では、吃音を減らすための呼吸法や発声法、話し方の工夫などを指導します。また、家族や周囲の人に対しても、吃音者に対する接し方や話し方の注意点などを伝えます。

発達性吃音は自然に改善することが多いですが、早期に治療を始めることで回復が早まる可能性があります。

獲得性吃音の治療法は、原因に応じて医師や言語聴覚士と連携して行います。

脳や神経系の障害や損傷が原因の場合は、医師による薬物療法や手術などが必要になる場合があります。心的外傷やストレスが原因の場合は、心理療法やリラクゼーション法などが有効です。

また、言語聴覚士による言語療法も行います。言語療法では、発達性吃音と同様に呼吸法や発声法、話し方の工夫などを指導します。獲得性吃音は持続することが多いですが、治療を続けることで改善する可能性があります。

吃音の理解とサポート方法

ここでは、吃音の種類と特徴について解説した後、吃音を持つ人々への理解とサポート方法について説明します。

吃音の人への理解と接し方

吃音の人への理解と適切な接し方は、吃音の改善にとって非常に重要です。吃音の人は、話すことに対して不安や恐怖を感じることが多く、そのためにさらに吃音が悪化することもあります。そのような場合には、以下のような配慮が必要です。

・吃音の人が話しているときは、じっと目を見て聞くこと。話をさえぎったり、言い換えたり、言いなさいと促したりしないこと。

・吃音の人が話しやすい環境を作ること。静かで落ち着いた場所で話すことや、話題を自分の興味や得意分野に合わせることなどが有効です。

・吃音の人に対して、話す能力や内容に関係なく、尊敬や関心を示すこと。吃音は知能や性格とは関係ありません。吃音の人も普通の人と同じように考えたり感じたりすることを忘れないでください。

吃音の改善に向けた自己管理法

吃音の改善に向けては、自分でできる管理法や自宅でのエクササイズも効果的です。以下にいくつかの例を挙げます。

・呼吸法:深くゆっくりと息を吸ってから話すことで、声帯や口腔の筋肉をリラックスさせることができます。また、息を止めずに一定のリズムで話すことも大切です。

・発声法:声を出す際には、喉ではなくお腹から声を出すように意識することが重要です。喉から声を出すと声帯に負担がかかり、吃音が起こりやすくなります。

・リラクゼーション法:ストレスや緊張は吃音の原因や悪化因子になることがあります。そのため、リラクゼーション法を用いて心身の状態を安定させることが大切です。例えば、瞑想やヨガ、音楽や香りなどを利用してリラックスする方法があります。

まとめ

この記事では、吃音の種類のうち、獲得性吃音について詳しく説明しました。獲得性吃音は、脳や神経系の障害や損傷によって起こる吃音で、獲得性心因性吃音という心的なストレスやトラウマが原因で発症する吃音の一種も含まれます。

成人期に突然発症することが多く、話す際に言葉が滑らかに出ない症状を示します。また、発達性吃音と比較して、原因や特徴が異なることも解説しています。

記事では、獲得性吃音の診断方法や心因性が吃音に及ぼす影響についても解説しています。

診断には、身体所見、言語聴覚検査、神経学的検査、脳画像検査などが行われ、心因性が吃音に及ぼす影響には、自己肯定感や自信の低下、人前で話すことやコミュニケーションを避けるようになる、職業や学業などのパフォーマンスが低下するなどが挙げられます。

また、獲得性吃音の治療法についても解説しています。

原因に応じて、医師や言語聴覚士と連携して治療を行います。具体的には、脳や神経系の障害や損傷が原因の場合は、医師による薬物療法や手術、心的外傷やストレスが原因の場合は、心理療法やリラクゼーション法などが有効です。言語聴覚士による言語療法も行われ、呼吸法や発声法、話し方の工夫などを指導します。

最後に、吃音を持つ人々への理解とサポート方法についても解説されています。吃音の人々への適切な接し方や配慮、吃音の改善に向けた自己管理法やリラックス法などが紹介されています。記事全体を通して、獲得性吃音について深く理解することができます。

なおき

3歳の頃から吃音を発症。

日本吃音協会で同じ吃音者と出会い「同じ吃音者でも様々な意見や価値観の人がいる」と知りました。

吃音悩む人が少しでも少なくなればいいと思い、記事を作成しています。

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