【必読】吃音を持つ子供に接するときに親が意識するべき大切なこと - HAPPY FOX

【必読】吃音を持つ子供に接するときに親が意識するべき大切なこと

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本記事はこのような悩みを解決するために執筆された記事です。

● 吃音持ちの息子に対する接し方がわからない
● 吃音症を持つ人から吃音持ちの子供の子育てのアドバイスが欲しい

私は小学2年生の頃に獲得性吃音症を発症し、吃音症を治すために様々な場所に連れられた経験があります。言葉の教室、病院、神社、霊能者、整骨院、カイロプラティクなどです。

今回は吃音を持つ子供に接するときに親が意識すべき大切なことについて、今の私が感じることを執筆しました。

吃音を心配される子供の気持ち

教室
写真はイメージです。

まず、初めに吃音症を心配される子供の気持ちを書いていきます。

私が吃音症を獲得したのは小学二年生の頃。家族で初めて吃音を持ったため、母親も驚いたことでしょう。(家族で唯一吃音症を患っているのは私だけです。)

私の母は非常に心配性で、育児に対しては完璧主義でもあります。そのため私は小学二年生の秋から、吃音症を治すために自治体が運営している「言葉の教室」に週に一回通い始めました。

どこか楽しい場所に連れて行かれるのかな?という気持ちで母について行きました。優しそうなおじいさん先生と音読の練習をしたり、メトロノームを使った音程をとるための練習をしたり。当時吃音症に対して効果があると考えられていた訓練法を用いた訓練でした。

初めは全く、苦ではありませんでした。しかし自分のどもる話し方に何も違和感を感じていなかったため、何も悪くないのになんで言葉の教室に行くんだろうと常々思っていました。それ以降、あらゆるところ場所に連れて行かれました。

両親があまりにも心配するものだから、いつしか吃音症って悪いものなのかな?という思考に陥るようになりました。吃音症に対して、善悪がない私は親があまりに心配するようになったため、吃音=普通ではない、治さないといけないという意識が芽生えたのです。

吃音=治さないといけない、普通ではないという固定概念こそ吃音者が生きづらくなってしまう大きな要因の一つです。良かれと思ってやったことが実は、逆に子供を苦しめる事になる。吃音症は持つ子供たちは、実は私と同じ経験をしている子が多いように思います。

親こそ、子供の吃音を心配しない

吃音症を直すためにこれまで様々なところに連れて行かれた私が思う、親が吃音を持つ子供に接する上で最も大切なことは『親こそ、子供の吃音を心配しない。』ことだと強く感じます。

本来、吃音症はどもりながら話すという話し方の特徴の一つです。どもる話し方は別に悪い話し方ではないですよね。(今風の言い方をするならば、話し方のダイバーシティーの一つ。)

それにも関わらず、両親側が子供の吃音症を過剰に心配してしまうと子供自身がそれを察知してしまい「吃音症は悪いものなの?」「吃音症は治さないといけないものなの?」「吃音症は恥ずかしいものなの?」と吃音症とともに生きる上で、生きにくくしてしまう価値観を無意識のうちに身につけてしまいます。

子供の吃音症を心配してしまう気持ちは重々理解できますが、愛情が空回りしてしまう。生きやすさの観点で見てみると、親の愛情の空回りで吃音を持つ子供自身がが生きづらくなってしまう例は吃音を持つ子供に頻繁に起こり得るのです。

何度も繰り返しになりますが、『親こそ、子供の吃音を心配しない』とても大切なので、2回書きました。

心配しなくても子供は勝手に育つ?

教室
写真はイメージです。

実は、子供の吃音症のことを心配しなくても子供は強く、逞しく育つのです。その例が私です。(自分で言うのもなんですが…)

小学生から中学生までの間は吃音症のことを心配され、吃音を改善するための訓練を様々受けさせられていた私ですが、高校生になると同時に親が私の吃音症を心配するのを急にやめたのです。どんな心変わりがあったのか、私自身はわかりませんが…親が一切が吃音症について干渉してくることをやめました。

その結果、いつの間にか吃音症を気にする癖が抜けたり、吃音症に対してどうとも思わなくなったりするようになりました。親から一切干渉されなくなったため、錘から解消された気分となり、吃音の調子も安定する日が増えました

学校生活も有意義なものとなり、吃音のことでクヨクヨしていた頃とは全く違ったことへ挑戦することも増えました。親は子供の心配をする必要はなく、見守るだけで十分なのかもしれません。

吃音症だからこそ触れる人の温かみと私の生き方

鉛筆
写真はイメージです。

誤解がないようにお伝えしますが、吃音で苦労することはあります。それは事実です。


ただ、吃音だから繋がった縁や大切な出会いがあり、吃音を通して人の優しさにたくさん触れ、たくさんのことを学んでいくことができます。マジョリーよりも人の温かみに触れる機会が増え、思いやりの心が育ちます。

物事は表裏一体で、吃音症との向き合い方で自分の人生を暗い方へ転じることもできれば、吃音症を生かすこともできます

大学を卒業した私は吃音で苦労した経験から、子供達の人生をサポートするような場所を作りたいとい想いから塾を立ち上げ、家庭教師の派遣事業を行なっています。

なぜだかわかりませんが私の塾の塾生には、持病を持っている方やHSPを持っている方、発達障がい気味の方が多くいます。意図したことではありませんが、不思議なご縁をいただいているなと思っています。また、NPO法人SCWの活動にも協力させていただいております。

吃音症がなければ、これまでの人生であまり思い悩み苦しい思いをすることはなかったことでしょう。
しかし、吃音があったから社会的に意義のある活動ができている。これは私が胸を張って宣言できることです。

吃音だから諦めた道もありますが、吃音だったからやれたこともたくさんあります。

  • 子供の吃音症を心配する必要はありません。
  • 子供は勝手に育ちます。
  • 心配するのはなく、見守ることをしましょう。

これが吃音の子供を持つご両親に伝えたいことのまとめです。ここまでお読みいただきありがとうございました。

北田

吃音歴16年。トルコ、ポーランドでの研究留学を経て、英語塾・進学塾を地元で創業。塾経営と家庭教師の派遣業や複数のプロジェクトに参画する傍ら、NPO法人日本吃音協会(SCW)でも活動中。

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