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私の吃音との向かい方

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私の吃音との向かい方

私なりの吃音の向かい方で、吃音で悩んでいる若者に力になれればと思い伝えたいと思います。

私は物心ついた時から、吃っていました。今でいう吃音です。

現在は妻と子供2人(7歳・2歳)と楽しく暮らしていますが、幼少期はつらい思いもたくさんしたし、 親にもさせたと思います。

吃音を憎んだ幼少期

幼少期のことから、話していきます。

私には5歳上の兄と3歳上の姉がいて、3人兄弟の末っ子です。兄も姉も吃音がありましたが、小学校入学前には消失したようでした。従妹にも吃音が消失した人や続いている人もいました。

親には「ゆっくりお話しするんだよ」と何万回も言われました。心の中で何度も「分かっているよ! 分かってるけど言葉がでない!出ない!」 と苦しい思いをしました。

嘘のような話ですが、昔はどんぐりを食べたら吃るようになると都市伝説的な話がありました。保育園の同級生に「どんぐり食べたからだろ」と虐められ、他の子にどんぐりを無理やり食べさせようとする子もいました。

吃音を心から憎んだのは保育園の演劇でした。 鳥のうぐいす役を任されましたが、「ホーホケキョ」この一言が全然でないのです。周りの子はみんな「なんで?」と言う感じで私を見ていました。吃音のことは誰も理解ができなかったのでしょう。

幼少期に初めて何で吃るの?と親に聞きました。 親にも分かるはずもなく「ゆっくり話せば大丈夫だよ」 とだけ言われました。親は私が吃るのを気にするのが可哀そうだったと思ったのか、幼少期に吃音に関して話しされた記憶はありません。

私の性格なのか、吃音によってふさぎ込むことはなく、たくさんの友人に恵まれました。 今でも大切な財産です。

時々、吃りをマネされて嫌な気がしましたが、私を吃りがある奴だと認識してくると特に問題はありませんでした。自分が一番気にしてたような気がします。

吃音で地獄だった小学生時代の自己紹介と音読

写真はイメージです。

吃音を持っている人誰もが最も苦しいと感じるのは、自己紹介と音読だと思います。

小学校の担任の先生は、日付と出席番号をかぶせて生徒に音読をさせました。 事前に自分が音読する日が分かるのです。本当に地獄でした。

前日に泣きながら布団の中で練習したこともありました。全然吃りませんでした。しかし、みんなの前で音読すると吃ってしまいました。

汗が止まらず、クスクス笑いが聞こえました。涙が出そうになりました。本当に嫌でした。なんで俺だけ?何度も思いました。

そんな私は小学3年生からサッカーを始めました。楽しくて、楽しくて毎日サッカーをしてました。 試合で勝って喜んで、練習して試合しての繰り返しの日々。

試合では大きな声出して走って……… あれっ 全然吃らない?

うまく説明できないのですが、サッカーは自分が大好きなことであり、少しの自信もありました。好きな事や自信がある事、楽しい時には全く吃らないことに気がつきました。

具体的な克服方法ではありませんが、何に対しても自信を持つことが重要かなと思います。

吃音は新しい環境に適用するまで悪化する

高校を卒業した私は実家を出る為に、住み込みのコック見習いの仕事を始めました。 朝6時~24時まで超過酷労働で酷い吃音が再発しました。

2年続けましたが、毎日「お先に休憩入ります」の一言が出ないのです。 毎回吃り、アルバイトの学生に笑われました。しかし、その時は毎日必死でした。

私だけだと思いますが、吃音は新しい環境に適用するまで悪化するように感じます。

現在は福祉業界で仕事しています。 20年ほどになりますが、初めのころは朝礼と電話対応が嫌で嫌で、吃ってしまうのかビクビクしていました。そんな時は不思議と吃ってしまうものです。

私の吃音対処法は「自信」だった

写真はイメージです。

社会人で吃音を持つ人が大嫌いなのは電話対応だと思います。 私は自分から電話するときに吃音がでることは、ほとんどありません。 電話を取るときに、吃ることが多くあります。

事務所内に一人でいる時は吃りません。 周りに人がいると吃ります。

そこで解消した私の方法は、デスクに目線を落として回りを見ないように電話することです。 この吃音対処法は今でも使っています。

仕事も落ち着き、入社して3年で新入社員の教育担当責任者を任されました。 責任者を任され責任感と共に自信が付きました。

不思議なもので、その頃から仕事でもプライベートでも吃音は大幅に減少しました。今思うと仕事に自信を持ち始めたからかもしれません。

吃音は吃るかも嫌だなぁと思うと、吃る割合が多いと思います。 今は事業所責任者として自信も生まれ、信頼できる部下も抱えています。 時々吃音が出ることもありますが、部下との信頼関係は崩れることはないと自信があります。

部下たちも吃音を理解しています。吃音と人間性は全く関係ありません。 吃音上司を慕ってくれています・・・たぶん(笑)こんな私の吃音との付き合い方です。

のり(吃音歴42年)

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