吃音症でも障害者雇用で年収が上がった~転職成功ストーリー①~ - HAPPY FOX

吃音症でも障害者雇用で年収が上がった~転職成功ストーリー①~

  1. 人気記事
  2. 500 view

吃音症で精神障害者保健福祉手帳を取得し、吃音に理解のある会社に転職を決意。無事に給与待遇の良い外資系企業に障害者雇用枠で内定。

■ S.Sさん
■ 20代
■ 前職 : 第一次産業関係(農業など)の仕事
■ 内定先企業 : 某外資系企業
■ 給与 : 前職の約1.5倍の給与額

S.S.さんインタビュー風景_インタビュワー : きただ

これまでの経歴

では、まずこれまでの経歴について教えてください。

大学を卒業後、海上自衛隊に入隊し、3ヶ月で退職しました。

その後、47都道都道府県をめぐる旅を3年間しました。3年間の間に各都道県をまわりながら、農業や漁業などの一次産業といわれる業種で生計を立てていました。

そして、2024年の4月に生まれ育った東京に戻ってきて、7月から本格的に転職活動を始めました。

日本吃音協会の職業紹介エージェント紹介支援を利用しようと思った経緯について

日本吃音協会の職業紹介エージェント紹介支援を利用しようと思ったきっかけについて教えてください。

例えば、障害者雇用を専門としている人材紹介会社やハローワークなどを使って、職を探してもなかなか吃音を理解してもらえないことがありました。

そのため、吃音の当事者の方たちで運営されている日本吃音協会経由で転職活動をすることにしました。同じ吃音の当事者同士だから、心理的に楽で….吃音を気にせずに転職活動ができると思ったためです。また吃音に対して理解のあるエージェントを紹介してくれるとも考えました

■ 日本吃音協会の職業紹介エージェント紹介支援とは?

吃音の当事者が吃音症に対して理解のある企業で働けるようになることを目的とした就職・転職支援プロジェクト。

日本吃音協会が求職希望の方を提携している障害者雇用の職業斡旋を専門としている職業紹介エージェントに紹介し、日本吃音協会と職業紹介エージェントの2チームで転職者をサポートする支援体制。

■ 障害者手帳をお持ちの転職者の方
最短1ヶ月で内定が可能。内定後に日本吃音協会の就労定着支援を受けることができます。

■ 障害者手帳を持っていないが、障害者手帳を取得し、障害者枠での転職を希望する転職者の方。
障害者手帳の取得支援から職業紹介エージェントへの紹介。そして、内定後に日本吃音協会の就労定着支援を受けることができます。

▼ 詳細
https://2y2g3.hp.peraichi.com/?_ga=2.81162526.827471063.1665971280-822940353.1656388629

実際に転職活動をしてみて大変だったこと

実際に転職活動をする上で大変だったことはありますか?

日本吃音協会経由で転職活動をする前に一般枠でいくつかの企業を受けました。

一般枠での転職活動では、吃音が理解されない部分が多々あり、特に面接で苦労しました。また、スムーズに話せるときととスムーズに話せない…いわゆる吃音の波のようなものが、理解されないなと感じました。

障害者枠で転職活動をしていたときは、吃音症を気にしなくていいという点では非常に楽でした。しかし、障害者雇用だと、どうしても事務系の職が多くなり、面接で将来のビジョンや自分のキャリアについて話す場面では、なかなか自分の将来のキャリアを思い描けず、苦労しました。

障害者雇用だと事務系の職が多くなるのは少しデメリットだと感じます。

実際に内定が決まって、何にワクワクしていて、何に不安を感じているか?

実際に内定が決まった今、何にワクワクして、何に対して不安を抱えていますか?

私自身があまり事務職などを経験したことがなく、未経験で事務職での入社です。そのため、新しいことを学べることに対してワクワクしています。一方で外資系の企業に入社予定のため、吃音関係なく、能力で仕事の評価がされます。そこに対して少し不安を感じていますね。

一般枠と障害者枠を選択するに当たっての葛藤はあったか?

障害者枠を入社することを選択するに当たっての葛藤はありましたか?

個人的には一般枠も障害者雇用も大した差は感じていません

福利厚生や待遇、給与の良さ、大企業で雇用が安定していることなどを検討した結果、今回内定をいただいた企業に障害者雇用枠で入社することに決意しました。

どんな人に日本吃音協会の支援をお勧めしたいか?

どんな人に日本吃音協会の支援をおすすめしたいですか?

個人的には今なお、吃音の理解や認知はそこまで広がっていないと思います。

そのため、吃音を一人で抱え込んでいる吃音の当事者が大勢いらっしゃるのかなと思います。

吃音の悩みを一人で抱え込むのではなく、ぜひ日本吃音協会の相談して欲しいと思います。

一言メッセージ

最後に一言メッセージをお願いします。

まだまだ吃音について知らない人はたくさんいます。日本吃音協会が行っている吃音の啓発活動や就職・転職の支援が全国各地で広がっていけば、吃音の悩みが減る人が増えるのではないかと思います。

就職活動や転職活動も一人でするのも方法の一つだとは思います。しかし、日本吃音協会のような就職支援や転職支援を行っている団体の門を叩くのもいい方法だと思います。

総括

今回、外資系企業に障害者枠で内定が決まったS.Sさんは実は2022年の8月上旬に日本吃音協会にご相談をいただいた方でした。

その後、日本吃音協会の職業紹介エージェント紹介支援を受けられ、わずか一ヶ月で待遇がいい大手外資系企業への内定が決まったとのことでした。

吃音の当事者やそのご家族を支援する当事者団体として、S.S.さんの益々のご活躍を活躍を祈念しております。

(取材・執筆 : きただ)

北田

吃音歴16年。トルコ、ポーランドでの研究留学を経て、英語塾・進学塾を地元で創業。塾経営と家庭教師の派遣業や複数のプロジェクトに参画する傍ら、NPO法人日本吃音協会(SCW)でも活動中。

記事一覧

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。