吃音の有症率はどれくらい?年齢別の有症率や有病率について解説 - HAPPY FOX

吃音の有症率はどれくらい?年齢別の有症率や有病率について解説

  1. 吃音症の知識
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 吃音とは、話すときに言葉を詰まらせたり、音を繰り返したりする障害の一つです。

 1%程度の人に見られ、男性に多く発生します。幼児期に発生する場合、75%は自然に治ると言われていますが、学童期や青年期以降に発生する場合、自然治癒率は低くなります。

 吃音は、精神的な苦痛や社会的な制約を引き起こすため、治療や支援が必要とされています。

吃音の有症率

 吃音に関する研究においては、国によって異なる定義や方法論がありますが、日本においては、吃音を持つ人の割合は1%から2%程度とされています。

 また、性別については、男性の方が女性よりも吃音の割合が高いという報告が多くあります。

 年齢については、吃音は多くの場合、幼児期に発生し、成長とともに改善する傾向があるとされていますが、成人しても持続する場合もあります。

 ただし、これらの数字はあくまでも一般的な推定であり、個人差があります。吃音に関しては、専門家による評価や診断が必要です。

吃音の自然治癒の割合

 吃音が自然に治る割合については、年齢や治療の有無などによって異なりますが、一般的には以下のような推定値があります。

  • 幼児期に発生した場合、約75%が自然に治るとされています。
  • 学童期に発生した場合、約50-70%が自然に治るとされています。
  • 青年期以降に発生した場合、自然治癒率は低く、5-10%程度とされています。

 ただし、吃音の治療は、年齢や症状の程度に応じて、様々なアプローチがあります。早期に治療を始めることで、治癒率を高めることができる場合があります。

 また、吃音が自然に治るかどうかは個人差があります。吃音については、専門家による評価や診断が必要です。

吃音者の男女比や性別での割合とその理由

一般的には、男性の方が女性よりも吃音の割合が高いとされています。この理由には以下のようなものが考えられます。

生物学的要因:吃音は生物学的要因によって引き起こされる可能性があり、男性ホルモンの影響が関与しているという説もあります。男性の方が女性よりも男性ホルモンの量が多いため、吃音に影響を与える可能性があるとされています。

社会的要因:男性の方が女性よりも、コミュニケーションにおいて自己表現や主張することが求められることが多く、そのストレスが吃音の発生や悪化につながるという説もあります。また、男性の方が女性よりも、ストレスや不安などの精神的な要因によって吃音を引き起こすことが多いとされています。

 ただし、吃音は複数の要因が絡み合って発生するため、性別だけでなく、家族歴や環境、個人差なども関与している可能性があります。吃音については、専門家の評価や診断が必要です。

吃音者の有病率

 吃音の有病率については、地域や文化、調査方法によって異なるため、一概には言えません。ただし、吃音は神経発達疾患の一つであり、精神的な苦痛や社会的な制約を引き起こすことがあるため、有病率が高いと考えられています。

 アメリカの研究によれば、成人の吃音有病率は1%程度と報告されており、高齢者では2%程度になるとされています。また、吃音の重症度や周囲の人々からの受け入れ度が低い場合、精神的な苦痛や社会的な制約が強くなり、心理的な問題や社会的な問題を引き起こすことがあります。

 そのため、吃音の治療や支援が必要であることが示唆されています。吃音には、音声言語療法や音声言語病理学、心理療法、認知行動療法、薬物療法などの治療法があります。

吃音者ができる治療法の一例

 吃音に対する治療法には、子供と成人で異なる方法があります。

 子供の場合、音声言語療法が一般的です。これは言語療法士が行う個別の療法で、吃音の原因や症状を理解するために行われます。子供が発声する際に正しい発声方法を教えたり、発声の速度を遅くする練習をすることで、吃音を改善することができます。

 成人の場合、音声言語療法に加えて、認知行動療法が用いられることもあります。認知行動療法は、吃音によって引き起こされる不安やストレスを軽減し、吃音によって引き起こされる言語行動を改善するための治療法です。また、吃音に対して薬物療法を行うこともあります。ただし、薬物療法は症状を完全に改善するものではなく、副作用があるため、医師の指導の下で行う必要があります。

 吃音には、専門家による評価や診断が必要であり、治療法の選択は個人の症状や状況によって異なります。早期に治療を始めることが治癒率を高めることにつながるため、吃音に悩んでいる場合は、専門家に相談することをおすすめします。

まとめ

 吃音は1%程度の人に見られ、男性に多く発生します。幼児期に発生する場合、75%は自然に治ると言われていますが、学童期や青年期以降に発生する場合、自然治癒率は低くなります。

 吃音には、音声言語療法や音声言語病理学、心理療法、認知行動療法、薬物療法などの治療法があります。

 治療法の選択は個人の症状や状況によって異なりますが、早期に治療を始めることが治癒率を高めることにつながるため、専門家に相談することをおすすめします。

藤本 浩士

日本吃音協会 代表理事
 
7歳から吃音を発症し、からかいやいじめを経験。今を生きる子ども達、生まれてくる子ども達が生きやすい世の中にする為、日本吃音協会を設立。
 
"吃音を持つ仲間が自分らしく幸せに生きられる社会を目指す"をモットーに、400名を超える吃音当事者を支援。
 
【 日本吃音協会での活動 】
・吃音についての正しい情報の提供
・吃音に対する社会の理解を深めるための啓発活動
・吃音当事者が気軽に相談できる環境の提供
吃音当事者や吃音の子どもの親御さんをサポートし、より多様な社会の実現のために活動中。
 
富山県出身、39歳。
家庭では、10才、8才、6才の子どもを持つイクメンパパとして奮闘中。

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