就活をきっかけに障がい者手帳を取得して気が付いたこと - HAPPY FOX

就活をきっかけに障がい者手帳を取得して気が付いたこと

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吃音当事者のKayと申します。この記事は5分で読めます。

私は約2年前、吃音で精神福祉障がい者手帳を取得しました。今回の記事では、その取得までの過程を紹介します。今後、障がい者手帳の取得を考えている方、迷っている方などの参考になればと思い、記事にしました。

手帳の取得を考えたきっかけは”自分が働きやすい環境”

手帳の取得を考えた当時、私は就活生でした。それまでは、学校生活などでうまく話せない場面があっても、「大丈夫」と言われ、その言葉を信じ、流れに身を任せることで何とか生活できていました。

しかし、就職活動の面接ではそうはいきませんでした。面接で言いたいことが言えず、なかなか面接を通過できませんでした。このまま面接で話すストレスや無力感を感じ続けると思うと、目の前が真っ暗になってしまいました。 そんな中、大学のカウンセラーの先生に、「吃音を持っている知人に、障がい者手帳を取得して仕事をしている人もいたよ」という話を聞きました。

自分が手帳を取ることができるとは思ってもいなかったので、最初はその言葉を軽く流していました。周りにも「手帳なんかなくても、一般枠で問題なく働ける」と言われていました。

しかし、よく考えると、それはあくまでも周りの人から見た意見です。もし一般採用で内定をもらえても、苦手な電話対応等で苦しむ自分の姿が想像できてしまいました。

そのため、自分を勇気づけるためにも手帳の取得を考えるようになりました。

結果的に障がい者枠で就職することにならなくても、手帳を取ること、またその過程で自らの吃音に真正面から向き合う良い機会になるのではないかと思いました。

手帳を取得する過程で自分を深く知った

そうと決まれば、まずは情報収集です。調べたところ、手帳を取得するにあたって、初診日から6ヶ月経過した以降の、医師からの診断書が必要となることがわかりました。

では、どの病院にかかれば良いのだろうか?耳鼻咽喉科か、それとも精神科なのか。市役所に問い合わせてみると、「それぞれの病院が吃音を扱っているかわからないため、直接問い合わせてほしい」と言われました。また、耳鼻咽喉科に尋ねると、「当院の言語聴覚士は、難聴の患者しか受け付けておりません」と言われました。

いくら調べてもわからなかったので、家族に言語聴覚士がいるという知人に相談してみました。すると、「吃音の診断をしてくれる病院がある」と、とある精神科を紹介してくれました。 その病院のホームページには、吃音についての記載があるわけではなかったので、不安な気持ちで診察を受けに行きました。

しかしそれは杞憂に終わり、吃音がどういう症状なのか、どういうリハビリが効果的かなど、丁寧に説明してくれました。「吃音」という言葉や、自分の中で抱えていた悩みなどについて話すこと自体が初めての機会だったので、初めはとても変な気持ちでした。しかし、通院を重ねるたび、悩んできたことをを先生に話すことで、心が軽くなるのを感じることができました。

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その後通院を重ね、知能検査(IQを測る検査)等の検査をいくつか行なったのち、吃音で診断書を書いていただきました。ちなみに知能検査では、言語理解能力が低いという診断が出ました。吃音を隠すために、話す場を避けていた結果、考えていることを瞬時にまとめて話す力が養われていなかったのだろうと思います。ここで受けた検査によって、より自分について深く知ることができたと思います。

意外とあさっり取得できたが、早めの行動が大事

その後、役所で申請を行ったのち、吃音で精神福祉障がい者手帳を取得することができました。

吃音での手帳取得は難しいと聞いていたので、思っていたよりあっさりと取得できたので驚きました。それだけ、吃音への理解が広まりつつあるのかもしれません。その一方で、病院の予約待ちや、役所への申請からの期間は長くかかりました。今後すぐに取得を考えている方は、早めに行動すると良いと思います。

さらに、ネットで検索しても、吃音の診療について明示している病院は多くないように思いました。 また、通院していた病院ではリハビリには対応していなかったため、別の施設を紹介されました。その施設では、吃音のリハビリを行なっていることを自主的に公表しているわけではなく、他の病院からの紹介を通してのみ対応しているとのことでした。

そのため、言語聴覚士等の吃音について詳しい方や、日本吃音協会をはじめとしたNPOの団体などに相談してみるのが近道だと思います。

吃音は「世界で自分1人しかいない謎の症状」という考えから解放された

精神福祉障がい者手帳は、一度取得した後も、2年ごとに更新が必要です。しかし私は現在通院していないため、近々手帳を返納する予定です。

せっかく時間と手間をかけて取得したので、もったいない気もします。そもそも、当時の就職活動の結果、障がい者枠での採用を選ばなかったので、制度的には手帳を取った意味すらなかったともいえます。周りからも当時から、「わざわざ手間をかけて手帳を取らなくても…」と言われていました。

しかし、個人的には、手帳取得によって公式に「吃音」という診断を受けたことで、とても楽になりました。というのも、私は小さい頃から、自らの吃音を「世界で自分1人しかいない謎の症状」と考えていました。その中で、小さい頃からの悩みを打ち明けたり、吃音で悩んでいるのは自分1人ではないということを知ったり、さまざまな出会いがあったことで、自分の中の無力感でできた霧が晴れたような気がしたのです。私にとっては、一度立ち止まって自分を理解する、とても貴重な時間となりました。

先ほど書きましたが、手帳取得と並行して、別の施設でリハビリを行いました。そこで初めて、言語聴覚士の方にお会いしました。そこでの経験も、自分の吃音に対する姿勢、考えを大きく変える貴重なものとなりました。この話については、また次回の記事で書こうと思います。

手帳取得の経験が誰かの踏み出すきっかけになってほしい

私のように、吃音について、自らの悩みを周りに打ち明ける機会がない人は少なくないと思います。決して障がい者手帳の取得を推奨するわけではないですが、私は手帳の取得をする過程で、新しい発見や出会いがあり、良かったと思っています。

今回の記事が、ご自身はもちろん、周りに今後取得しようか迷っている人がいる方の後押しになればと思います。またそうでない方も、何か一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです。

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    Kay

    千葉県出身。趣味は野球観戦とサウナ。幼少期から吃音があります。現在も言語聴覚士の方のもとで訓練をしている身ですが、自身の体験談や、吃音に対する考えなどを発信していきたいと思います。

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