【インタビュー記事】吃音症をもつ高校2年生の圧巻の行動力 - HAPPY FOX

【インタビュー記事】吃音症をもつ高校2年生の圧巻の行動力

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今回、NPO法人日本吃音協会(SCW)は将来は吃音当事者のために仕事をしたい高校2年生のインタビューをオンラインで受けました。本記事はインタビューの書き起こし記事となります。

インタビュアー : 中澤さん(高校2年生)

インタビュイー : 藤本(SCW理事長)、北田(SCW運営局員)

NPO法人 日本吃音協会では、個人・団体・法人・メディアの取材をいつでも承っています。取材希望の方は、こちらからお問い合わせください。

※ 本記事はインタビューの書き起こし記事となります。書き起こしは要点をまとめて行っておりますので、実際のやりとりとは表現が異なります。

吃音を持つ高校2年生が取材をしている理由

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藤本さん : では、まず中澤さんのことについて教えてください。

中澤さん : はい。新潟の高校2年生の中澤です。五歳から吃音があって、学校では吃音がハンデになっているなと感じます。国語・英語の音読で苦労しますし、生徒会の副会長もやっていてみんなの前で話すこともあるので、大変です。

※以下敬称略

藤本 : おおすごいね。なぜ副会長をしようと思ったの??

中澤 : 吃音があっても人の前に立ちたい。人の前でしっかりと伝えられるようになりたいからです。それに学校をよくしたいという気持ちもあります。

藤本 : 吃音があって生徒会をやっていのがまずすごいよ。それに動機も素敵だよね。

中澤 : ありがとうございます。

藤本 : そもそも、なぜDMで取材の連絡をしてきたの??

中澤 : 僕自身高校二年生で今現在進路を考えています。大学の工学部に行って研究をしようかなーと考えていたのですが、あまりしっくりこず。両親に相談したら、『吃音関係でできる仕事を探したら??』と言われて、しっくりきたんです。吃音についてもっともっと勉強したいと思い今回はインタビューを兼ねて、吃音について勉強させていただきたいなと思いました。

吃音持ちの高校2年生が今、吃音について調査していることとは??

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中澤 : 実は今現在、twitterとInstagramで『吃音が出ることにどう思っていますか?』『吃音が出た時はどう対処していますか?』『吃音の認知や理解は未だ低いと思いますか?』と吃音当事者の方にDMを送り三つの質問に対してアンケートをとっています。まずはその質問をしたいのですが、よろしいでしょうか??

藤本 : はい大丈夫ですよ。もちろん、北田くんも答えます。

中澤 : では吃音が出ることについてどう思いますか??

藤本 : 僕は吃音自体は気にしていません。吃音を気にしてもプラスに働くことはありませんからね。吃音というのはなかなか改善しにくく、治りにくいです。それを治そうとすると精神的な負荷が大きですよね。コントロールができないものは気にしない。それが大切だと思います。もっというと、吃音は事実です。これは変えようもないことです。しかし、考え方や価値観は変えることができる。変えれるものを変えていく。これも大切ですね。

北田 : そうですね。僕も今は吃音は気にしていませんね。もちろん、小学生・中学生・高校生・大学生の時はめちゃくちゃしんどかったんですけど、今はないです。吃音に意識を向けるとすごくしんどいんですけど、吃音があったからこそ、できたことに意識を向ける習慣ができると楽になりました。吃音があったら積めた成功体験を見つけることは非常に大切だと感じます。

中澤 : ありがとうございます。SNSのアンケート結果なんですが、高校生や大学生の方が社会人よりも吃音を気にしている傾向にあるのですが、どう思いますか??

藤本 : もちろん、学生の頃も吃音はしんどいけど、社会人の方がもっとしんどい気がします。働き始めると報連相や電話応対、また吃音で言葉が出なくても上司に報告しないといけない義務があります。これは吃音当事者にとって非常にしんどいですよね。

中澤 : 確かに大変ですね。では、次の質問に移りますね。吃音が出た時はどう対処していますか??ネットの情報だと、『リズムを取る』とありました。

藤本 : 僕は言い換えはけっこうしていました。その時の癖で今でも無意識でやってしまいますね。ただ、言い換えをすると語弊を生む場合がありますので、言い換えても大丈夫場面は言い換えるようにしています。あとはゼスチャーを使いながら話していますね。ゼスチャーを使うとすごく言いやすいので。

北田 : 僕は赴くままに、吃ってます。僕自身が難発よりも連発や深発の方が強いので。もちろん言い換えもしますね。例えば、カフェでコーヒーを注文するときは、日本語の『こ』が苦手なので、coffeeと注文することもあります。たぶん、珍しいパターンの言い換えかと思います。

中澤 : では、最後の質問です。吃音の認知度は高いと思いますか??

藤本 : 日本社会は吃音に対してそこまで認知や理解があるわけではないよね。ここ10年くらいは映画やドラマでは吃音というワードができてきたり、吃音を題材に扱ったものもあるけど。そこまで吃音は浸透していませんね。そのドラマや映画をみるときは覚えているけど、人は興味がないと忘れてしまいます。例え、映画やドラマで吃音について知ったとしても吃音に興味がわかないとすぐい忘れてしまいます。ですので、SCWでは吃音に興味を持ってもらう取り組みをしています。

藤本 : あとアメリカは日本よりも吃音に対してもっと理解がありますよね。アメリカは障がい者に対して尊敬の意識があります。『障がいがあっても頑張っているあなたは素晴らしい』そういう文化がアメリカです。対して日本はそこまで障がい者に対してフレンドリーではないと思います。

中澤 : なるほど。北田さんは吃音の認知についてどう思われますか?

北田 : 僕自身はあまり認知や理解についてはなんとも申し上げにくいですね。僕自身は『自分は吃音です』と伝えてきた方ですので、伝えればわかってもらえるということを実感しています。もちろん、吃音の啓発が広まればいいなーとは思いますが、自らも吃音を発信していく、社会に自分の声で訴えていくことは大切だと感じます。そうすることで、吃音の認知や理解の輪がより広がっていくのかなーと思います。

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NPO法人 日本吃音協会の活動とは

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中澤 : ありがとうございます。ちなみにNPO法人日本吃音協会ではどのような活動(啓発関連)をしていますか??

藤本 : まず企業に対しては企業訪問をしています。合理的配慮の呼びかけや人事担当者に対してセミナーなどを行っています。また教育現場(学校、言葉の教室、教育委員会)を訪問して、吃音の生徒がいる先生に特に吃音の子の合理的配慮を呼びかけています。あとは、吃音をもつインフルエンサーの方たちとコラボして吃音の啓発活動にも取り組んでいる。

※ LEGO BIG MORLのタナカヒロキさんはSCWのアンバサダーとしてご活躍されています。
※啓発活動以外にも、多様な活動に取り組んでいます。

中澤 : 多様な活動をされていますね。僕自身は先生の吃音に対する認知が低いため、先生に向けてもっと吃音を発信すべきだと思っています。吃音はよくあがり症ともよく混同されますので、吃音が出ているときに『落ち着いて』と言われることもあります。吃音とあがり症の違いは広まってほしいです。

中澤 : 先ほど吃音であることを発信していくとう話があったのですが自分自身はカミングアウトすることに対して抵抗があります。どうすれば他人に吃音を伝えるというハードル超えていけるのでしょうか??

藤本 : 僕自身もあまり自分が吃音だと伝えてきませんでした。真剣に伝えたのは30歳になってからです。それまでは吃音を伝える自分=みじめと感じていました。しかし実際はそういうわけではありません。自分の吃音を伝える相手さえ間違えなければ、きっとわかってもらえます。さらに自分の吃音を伝えていくことでどんどんと心が軽くなろぐ。吃音を伝えるのは怖いですけどね。

北田 : 僕はこれまで20回以上自分が吃音であることを伝えてきました。その中で一番伝えやすかったのは、見知らぬ大人の人でしたね。友達、先生、家族は距離が近いので、逆に伝えにくいのですが、初対面の人、安心感のある人には非常に伝えやすいですよ。吃音を伝えるにもステップが存在しますので、慣れていけば、吃音を伝えることに抵抗感は無くなりますね。

吃音持ちの高校二年生がこれからやっていきたいこととは?

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藤本 : 中澤さんはこれから吃音を広めていく活動をやっていきますか??それが高校生活または高校を卒業してもやっていっていきたいことですか??また将来やりたいことの軸に吃音がある感じですか??

中澤 : はいそうです。個人的には吃音で悩まされない環境(社会)を作るような活動をやっていきたいです。吃音があっても周りの環境が良ければ非常に過ごしやすいと個人的には思うからです。また、吃音もそうなのですが、各種障がいや精神疾患、合理的配慮など全く知識がないので、大学では勉強して知識をつけていきたいです。

藤本 : 素敵ですね。ただ、社会を変えることは難しい。我々もNPO運営を行っていますので、社会を変える難しさを肌で感じています。実は社会よりも変えやすいものがあります。それは吃音で辛い思いをしている人たちの吃音の見方や吃音への考え方を変えていくことです。変化する機会を提供することで、その人たちが変化していく。これもNPOで行っていることです。

藤本 : 重複になりますが、吃音を治療する決定的な方法がないから、自分の行動週間、考え方を変化させていく。これはとても大切です。実際問題、治らないものを変えていくのは吃音だけではなくても辛いこと。
例えば、顔が大きいということがコンプレックスの場合、四六時中自分のコンプレックスについて考えてしまいますよね。友達と話すとき、告白するとき、デートをするとき。変えられないコンプレックスに悩んでいても非常に人生が辛くなります。

藤本 : 吃音を治すのではなく、吃音をどう捉えて行動していくか。ネクストアクションにつながるような行動をしていくと人間的に非常に成長することができます。吃音についてずっと考えるなら、自分の話は相手に伝わりやすいかなどを考えるコミュニケーションスキル力を磨いた方が何倍も有益ですよね。

藤本 : それにしても中澤くんの行動力はすごいよね。SNSのDMで送ってこんな感じで面談をやれてるってるてすごいよ。吃音がなくても、こんなに行動力があるひとは少ないんじゃない??

中澤 : ありがとうございます。自分もまだこの活動を始めて数日ですが、どんどんとやっていきたいです。あと質問があるのですが。就職の時に面接で吃音の合理的配慮はしてもらいましたか?

北田 : そうですね。例えば、『吃音だから、配慮してほしい、配慮されて当たり前』というスタンスで就活に挑むよりも、『吃音だけど、これくらいの成果をおさめました』、『ハンディキャップがあったけど、これほど頑張ってきました』などの伝え方をすると非常に効果的だと思います。人に響くストーリテーリングの方法としてV字型というのものがあります。平常⇨絶望⇨成功のようなストーリーの伝え方は人の心に響くんです。

北田 : 吃音で辛かったこと、苦労したことを踏まえた自分が頑張ってきたことをアピールするのは、人事担当者の心を動かす一つの手法になると個人的には考えています。

中澤 : 是非就活のときはやってみます。あと、大学の面接入試でコミュニケーション力重視と書いてあるけど、吃音には配慮して貰えると思いますか??

北田 : まず吃音があることとコミュニケーション能力が低いことは全くの別問題ですよね。吃音があるから、コミュニケーション力が低いわけでもありませんし、その逆も然りです。例えば、大学の推薦入試を受ける時は志望動機を書くと思います。そのときに自身の吃音を踏まえて書かれてみてはどうでしょうか?

中澤 : 確かにそれもそうですね。

北田 : 中澤さんが大学で勉強したいことは吃音や障がい関係のことだと思います。自身が吃音で苦労したことを踏まえて志望動機を書くのはどうでしょう??体験したことや感じたことには心が宿ります。それが志望動機という紙一枚であったとしても、中澤さんの志望動機は非常に面接をする教員方の心を動かすものになると思いますよ。

中澤 : 僕自身この活動を初めて数日で、これまで吃音である自分から逃げてきました。でも自ら吃音にしっかりと向き合うことでNPO法人 日本吃音協会の方たち縁ができて、これは吃音だったからこそのアドバンテージですよね。

藤本 : まさにその通りですよ。吃音だったからこそ、我々と中澤くんは出会うことができました。これこそご縁ですよ。

中澤 : 本日はインタビューをさせていただく機会をいただき誠にありがとうございました。

藤本 : ありがとうございました。これから頑張ってくださいね。中澤さんを心より応援しています。

北田 : ありがとうございました。

ーここまでー

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