吃音をオープンにしたら応援してくれる人が沢山いることに気づいた - HAPPY FOX

吃音をオープンにしたら応援してくれる人が沢山いることに気づいた

  1. 吃音の体験談
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吃音を受け入れることが中々難しい当事者は多いのではないでしょうか。吃音当事者であるスサキコウキさんもかつて自身の吃音を隠していた1人でした。現在の彼は吃音を周囲にカミングアウトして、素敵な毎日を過ごしていると言います。今回は、吃音について前向きに捉えられるようになったきっかけをテーマに、スサキコウキさんの体験談を掲載します。

吃音を受け入れられず、他人の吃った声を聞くだけで震えが止まらなかった

吃音を受け入れられず、他人が吃った声を聞くだけで震えが止まらなかった
写真はイメージです。

吃音の自助団体が運営する通話グループに初めて参加したのは、僕が21歳の時でした。

当時は自分の吃音だけではなく、他人の吃音も否定していたので誰かが吃るたびに身体の震えが止まりませんでした。

22歳のある日、「吃音をカミングアウトするべきか」というテーマについて話し合ったことがありました。

「吃音が無くなると、私が私じゃなくなってしまうんです。吃音は私にとってアクセサリーみたいな物なんです。だから吃音のカミングアウトも、挨拶する感覚でしています!」

同い年の吃音当時者の子がそう言いましたが、僕は全く理解出来ませんでした。

吃音者であることは隠すべきことであって、治さなければ誰からも相手にされないし、何も出来ない、治ってから何かしようと常に思っていたからです。

そのため、吃音についてカミングアウトするということは考えられないことだったのです。

吃音をカミングアウトするきっかけとなった出会い

音をカミングアウトするきっかけとなった出会い
写真はイメージです。

その日の通話を終えて、モヤモヤした気持ちでいた僕の元に、「吃音はアクセサリーだ」と話していた子から連絡がきました。

「何かあれば、相談に乗るので言ってくださいね」

後日、彼女に自分の吃音について相談してみたところ、この人みたいになりたいと心を動かされました。そして、吃音のカミングアウトをしていくことを決意しました。

最初は、家族や友達に吃音のことを積極的に話すようにしました。

その後は、話し方教室やパソコンの無料体験教室に行って自分の吃音についてカミングアウトしてみました。

正直、最初の1か月が1番大変でした。その後、徐々に難易度を上げていき、 気づけば100人以上にカミングアウトしていました。

初めの頃は、吃音が恥ずかしいという気持ちで一杯でした。しかし後半は、どうすれば上手く相手に伝わるかなという気持ちに変わっていきました。

カミングアウトを始めて、1年半経った今は挨拶する感覚で吃音について話すことができるようになりました。

それは、あの子の言うとおりでした。彼女には沢山勇気づけて貰いましたし、本当に感謝の気持ちで一杯です。

吃音をオープンにしたら、精神的に楽になった。

吃音をオープンにしたら、精神的に楽になった。
写真はイメージです。

今は、吃音から逃げ回ることがなくなり、早く吃音を治さなければという気持ちもなくなりました。

今でも、吃ったり身体に力が入って苦しかったりすることもあります。しかし、吃音症があるということを説明して、出来ないことがあったらサポートしてほしいと言えるので、人前にも出ることもできるようになりました。

焦りや不安が減ったため、精神的に凄く楽になりました。そのうち吃音が改善していくだろうと思ってます。

吃音をオープンにすれば周りは応援してくれる。今度は自分がロールモデルになりたい。

吃音をオープンにすれば周りは応援してくれる。今度は自分がロールモデルになりたい。
写真はイメージです。

吃音であることを正直に話して頑張っていると、あることに気がつきました。それは、応援してくれる人が沢山いるということです。

多くの人は吃音について説明しないと理解が出来ないようです。緊張して上がってると思っていたり、落ち着いて喋ればいいのにと思っているのではないでしょうか。

一方で、吃音だということを相手に分かるように説明するようにしたところ、バカにされたり誤解されたりすることがなくなりました。

一時期、コンビニでホットスナックを注文する時に、スマホのメモに入力して頼むことを2週間したことがありました。その際は店員さんが丁寧に配慮していただき、自分が思っていたよりも世の中には優しい人が多いと思いました。

この件がきっかけで、吃音ということを世間に正しく認識して貰えば、吃音で悩む人は凄く減るだろうと思いました。

小学生の頃、同級生から「大人になってもその喋り方だったらヤバイだろ、治せよ」といじめを受けた経験がありました。その時は大人になったら、もっと酷い目に遭うのかなと不安でした。

しかし、実際はその逆でした。大人の世界の方がハンデキャップがあっても、それを認めて行動していれば、周りに評価してもらえるのです。

しかし、吃音当事者の中にはカミングアウトをする勇気が持てない人も多くいると思います。

そんな方は自助団体でもSNSでも何でもよいので「この人も吃音があるのだったら、私も吃音があっても良いかも」 と思える人を見つける努力をしていただきたいと思います。

吃音に縛られず、明るくワクワクさせてくれるような人と沢山出会って欲しいと思います。自分もそういう人間になりたいと思うでしょうし、何より勇気やパワーを貰えると思います。

最後に、僕自身も沢山の人達に助けて頂いて今ではワクワクした素敵な日々を過ごしています。今度は誰かの助けになれるような素敵な大人になろうと思います。(スサキコウキ )

日本吃音協会(SCW)

吃音への認知・理解はいまだに不足しており、 吃音を持つ人のなかには
「自分の人生は素晴らしい。幸せだ。」 と思えない人も少なくありません。
私たちは、SCW (Stuttering Change The World =吃音が世界を変える)を
活動スローガンとしてその輪を広げることで、言葉の病気に対しての理解が不足している 社会を変え、吃音を持つ仲間が 幸せに生きることができる 社会をつくっていきます。
*当事業の売上はすべて吃音啓発活動や社会貢献活動に使われます。

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