自分のことを理解してくれる人は必ずいる。そう思えた、あるクラスメイトの言葉 - HAPPY FOX

自分のことを理解してくれる人は必ずいる。そう思えた、あるクラスメイトの言葉

  1. 吃音の体験談
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吃音者にとって、自分の話し方に対する周りの反応はとても気になるものだと思います。私もいろいろな反応を受けてきましたが、ある人から言われた何気ない一言に勇気づけられたエピソードを紹介します。

「どうして言葉が詰まっちゃうの?」学生時代に何度も聞かれた。

「どうして言葉が詰まっちゃうの?」学生時代に何度も聞かれた。

「どうして言葉が詰まっちゃうの?」 小・中学生の頃、友達から何度も聞かれた質問です。

本人たちは単に疑問を口にしただけで、悪気は全くなかったのだろうと思います。

しかし、この質問を受けるたびに私はとてもショックを受けていました。

その質問への答えは私が教えて欲しいくらいですし、なんといっても返答に困りました。

「お父さんも同じ話し方なんだよ〜」などと、適当なことを言ってやり過ごしていました。

小学校の先生には「しょうがないよね」と同情めいた顔で言われたり、喧嘩をした友達から「うまく喋れないくせに!」と吐き捨てられたりすることもありました。

もうそれを言われてしまうと元も子もありません。

何も言い返せなくて悔しい思いをしました。

吃音をマイナスに捉える人ばかりではないと気づかされた、クラスメイトの言葉。

吃音をマイナスに捉える人ばかりではないと気づかされた、クラスメイトの言葉。

そんなやるせない日々を過ごしていましたが、中学に入学してしばらく経ったある日、印象深い出来事がありました。

初めて席が隣になった女の子と話していると、会話の中でふと、こんなことを言われました。

「Kayくんは、ちょっと話すのが遅れたりするじゃん?でも…」

正直、その後の会話は覚えていません。

しかし、私はその発言をとても意外に思いました。

今まで話し方について話題に上がると「変わっている」「普通じゃない」というニュアンスで指摘されていました。

ただ、その子は吃音を「ただの特徴の1つ」として認識し、話してくれました。

決して吃音をマイナスに捉える人ばかりではないということを知り、自分の中の重りが1つ、ストンと落ちたような感覚を味わったことを覚えています。

自分のことを理解して接してくれる人は必ずいる。

自分のことを理解して接してくれる人は必ずいる。

その子はその後も、私が話を急かされているのを見かけると「やめなよ」と言ってくれたり、全校の前で話す機会があった直前に「いつも通り話せばいいよ!私のほうが緊張してるから!」と声をかけてくれたりしました。

本人は何気なく言ってくれていたのでしょうが、何度も私を救ってくれました。

世の中には、話す姿を見て笑う人、気まずそうにする人、いろいろな反応をする人がいると思います。

その人たちが決して悪いとは思いません。

私も逆の立場に立っていたら、同じ反応をしていたかもしれないからです。

ただ、自分のことを理解して接してくれる人は必ずいると思います。

そういう人を大事にして、見習って、自分も同じように他人に接することができるといいのかなと思います。

とても難しいことだと思いますが、自分の何気ない振る舞いが相手の心を大きく動かすかもしれません。

ちなみに、その女の子は卒業前に転校してしまい、それ以来会っていません。

もし再会することがあれば、当時のお礼を言えたらいいなと思います。

Kay

千葉県出身。趣味は野球観戦とサウナ。幼少期から吃音があります。現在も言語聴覚士の方のもとで訓練をしている身ですが、自身の体験談や、吃音に対する考えなどを発信していきたいと思います。

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