【子育て我が家流】吃音を持つ子自身がどうしたいかに寄り添う - HAPPY FOX

【子育て我が家流】吃音を持つ子自身がどうしたいかに寄り添う

  1. 吃音の体験談
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子どもに吃音が現れた時、どうすればいいのか悩むご家族は少なくありません。吃音当事者を家族に持つえりさんは息子さんの発吃をきっかけに吃音を知りました。様々な支援者との関わりを通して、子どもたちが生きやすい環境を整えた体験をお話しいただきました。

子どもの吃音の相談をしても取り合ってくれない先生。子どもを守ってくれたのは友達だった。

子どもの吃音の相談をしても取り合ってくれない先生。子どもを守ってくれたのは友達だった。
写真はイメージです。

私は吃音者の家族です。高校生の長男、中学生の長女、そして私の夫が吃音者です。

長男に吃音が現れたのは保育園年中の時でした。急に同じ言葉を繰り返して話していることに気がつきました。

当時、私は吃音という言葉すら知りませんでした。そのため、子供に「そんなしゃべり方やめなさい」とよく言っていました。

保育園の先生に長男の話し方について相談したこともあります。しかし、卒業するまでずっと「そのうち治りますよ」と言われました。

後から先生に「吃音だなと思っていたが、この問題はナイーブな事柄だから言えなかった」と言われて、とてもショックだったことを覚えています。早めに知りたかったと思ったからです。

その頃の長男は、とても仲良しの男の子がいて、その子といつも遊んでいました。ある日、他の子から長男の話し方を変だと言われたことがありました。その時、仲良しの男の子が「そんなこと言うな」と長男を守ってくれたそうです。長男は友達が庇ってくれたことがとても嬉しかったようでした。それから長男は、とても明るく過ごすことができました。

吃音を知って先生に理解を求めた母。子どもは自らクラスに自分の吃音を伝えた。

吃音を知って先生に理解を求めた母。子どもは自らクラスに自分の吃音を伝えた。
写真はイメージです。

長男が小学校に入学すると、すぐに担任の先生に呼ばれました。学校に行くと、先生から長男の言葉について気になるので学校のカウンセラーさんとお話をしてみてください、と言われました。

私も長男の話し方については気になっていたので、カウンセラーさんとお話することになりました。

カウンセリング当日、私と長男は2人別々にカウンセリングを受けるように指示されました。カウンセラーさんは「お母さんのせいではないですね」と私に言いました。私は何が何だか分からないまま、その日は家に帰りました。

あとでよく考えてみても、このカウンセリングは何だったのか、とても疑問でした。腹ただしくも思えました。

その後、担任の先生から通級指導教室を紹介されました。通級指導教室では、息子の話し方が吃音だということを教わりました。それからというもの、私は沢山吃音について勉強をしました。

小学校5年生の時、長男はクラスの皆に自分は吃音者ですと伝えました。クラスの皆は長男のことを受け入れてくれました。それからは、いろいろありましたが言い換えや自分で工夫しながら過ごしています。

私はすべての担任と細かに話をして、理解してもらうようにしました。子供にも、何かあればいつでも何でも言ってもらうようにコミュニケーションを取り、一緒に考えたり悩んだり、沢山の選択肢を与えられるようにしました。

吃音を持つ子ども自身がどうしたいかに寄り添う子育て。母の対応に救われた子どもの気持ち

吃音を持つ子ども自身がどうしたいかを尊重した子育て。母の対応に救われた子どもの気持ち
写真はイメージです。

長女は保育園の年少から吃音がはじまりました。通級指導教室にもすぐに行きました。

長男の時に吃音について沢山勉強していたので、長女には選択肢を沢山与えて、本人がどうしたいかに沿って過ごしました。

保育園年長になると、長女は皆から変な話し方、と言われたり真似されたりしました。しかし、長女はすべて無視するという対処法を選択しました。

小学校に上がると自分の話し方は生まれつきだからと友達に言っていたようですが、その他はすべて無視だそうです。長女はこの無視がとてもいいそうです。

長女が中学生になり吃音の話をしていたとき、「お母さんが吃音のことをよく知ってくれているし、最後まで話を聞いてくれるからいい」と言ってくれました。私はそれを聞いて、とてもとてもうれしかったです。

子どもの吃音を知ったきっかけで夫に起こった変化

を知ったきっかけで夫に起こった変化
写真はイメージです。

夫は長男が吃音者と分かってから、自分も吃音者なんだと分かったそうです。

小さい頃、夫の吃音はとても重かったようです。そして、あまり話をしない、おとなしい子だったそうです。

吃音を治すためにお寺や神社に行っていたそうで、とても嫌だったそうです。

私は夫と初めて会った時にすごく無口な人だな、と思っていました。しかし私が元からよく喋るので、まったく気になりませんでした。

結婚し子供が生まれてから外食した時に注文を全部私がしていて、何で自分で注文しないのかなと思っていました。今では私より、よく喋ります。(えり)

日本吃音協会(SCW)

吃音への認知・理解はいまだに不足しており、 吃音を持つ人のなかには
「自分の人生は素晴らしい。幸せだ。」 と思えない人も少なくありません。
私たちは、SCW (Stuttering Change The World =吃音が世界を変える)を
活動スローガンとしてその輪を広げることで、言葉の病気に対しての理解が不足している 社会を変え、吃音を持つ仲間が 幸せに生きることができる 社会をつくっていきます。
*当事業の売上はすべて吃音啓発活動や社会貢献活動に使われます。

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