難発性吃音で挨拶や電話で名前がでない時のテクニック - HAPPY FOX

難発性吃音で挨拶や電話で名前がでない時のテクニック

  1. 吃音の治し方・克服方法・トレーニング
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この記事は、難発性吃音や吃音に悩む人が、挨拶や電話で名前を言うときに苦手意識を克服するためのテクニックを紹介しています。

難発性吃音の特徴や学校や仕事への影響、挨拶や電話での吃音対策、挨拶時の吃音や難発を管理する方法などについて詳しく解説しています。

難発性吃音の課題

吃音にはさまざまなタイプがありますが、その中でも難発性吃音と呼ばれるものは、特に挨拶や電話で名前を言うときに困難を感じることが多いです。

難発性吃音の人は、自分の名前を言えないことで恥ずかしい思いをしたり、人間関係に支障をきたしたりすることがあります。

ここでは、難発性吃音の原因や特徴、そして挨拶や電話で名前がでない時の対処法について紹介します。

難発性吃音の学校や仕事への影響

難発性吃音の人は、学校や仕事で自己紹介や発表などの場面に遭遇すると、非常にストレスを感じます。

自分の名前を言えないことで、相手に不快な印象を与えたり、信頼を失ったりすることを恐れます。また、自分の名前を言えないことで、自己肯定感や自信が低下し、自己否定的な思考に陥ることもあります。

これらの影響は、学業や仕事の成績や能力にも悪影響を及ぼす可能性があります。

電話や挨拶、名前のように状況や症状が変化する理由

難発性吃音の人は、同じ言葉でも状況によって吃音の程度が変わることがあります。

例えば、家族や友人と話すときはスムーズに話せるのに、初対面の人や上司と話すときは吃音がひどくなるということです。

これは、緊張や不安などの感情が吃音に影響するからです。特に、自分の名前は他人から与えられたものであり、自分で変えることができないため、自分のアイデンティティや存在感を表すものとして重要視されます。

そのため、自分の名前を言うことに対して強いプレッシャーや期待を感じることがあります。また、自分の名前は他人から聞かれることも多く、予測できないタイミングで言わなければならないこともあります。

これらの要因が合わさると、電話や挨拶で名前を言うことが困難になることがあります。

電話での吃音と難発を克服するためのテクニック

電話で話すとき、自分の名前や相手の名前を言うのが苦手な人は多いと思います。

特に、難発性の吃音を持つ人にとっては、電話は大きなストレスになります。

例えば、「はじめまして、田中です」と言おうとしても、「は」の音が出ずに詰まってしまうことがあります。このような場合、どうすれば良いのでしょうか?

電話での吃音と難発を克服するためのテクニックを紹介します。

難発性の吃音が電話で出やすい理由

難発性の吃音が電話で出やすい理由は、主に二つあります。

一つ目は、相手の反応が見えないことです。電話では、相手の表情や態度が分かりません。

そのため、相手が自分の話に興味があるかどうか、理解してくれているかどうか、イライラしていないかどうかなどが不安になります。この不安は、緊張を高めて吃音を引き起こします。

二つ目は、自分の声が聞こえることです。

電話では、自分の声がマイクに拾われてスピーカーから流れます。そのため、自分の声がどう聞こえているかに気を取られてしまいます。特に、自分の声が詰まったりぶれたりすると、恥ずかしくなってさらに吃音が悪化します。

テクニック1:緊張を減らす呼吸法

電話で話す前に、緊張を減らす呼吸法を行うことがおすすめです。

呼吸法は、深くゆっくりと息を吸って、長くゆっくりと息を吐くことです。この呼吸法は、心拍数や血圧を下げてリラックスさせる効果があります。また、声帯や喉頭筋もほぐれて声が出やすくなります。

呼吸法は、電話をかける前や受ける前に数回行ってください。また、話しながらも意識的に呼吸を深くすることで緊張を和らげることができます。

テクニック2:言葉の前置きと遅延技法

言葉の最初の音が出にくい場合は、言葉の前置きと遅延技法を使ってみましょう。

言葉の前置きとは、言いたい言葉の前に別の言葉を付け加えることです。

例えば、「はじめまして」と言いたい場合は、「あのう、はじめまして」というように、「あのう」という言葉を前置きします。これにより、言いたい言葉にスムーズに移行できます。また、遅延技法とは、言いたい言葉を少し間をおいてから発音することです。

例えば、「山田です」と名乗りたい場合は、「私は…山田です」というように、「私は」という言葉と「山田です」という言葉の間に少しの時間を作ります。これにより、緊張をほぐしてリラックスした状態で発音できます。

このように、言葉の前置きと遅延技法を組み合わせて使うことで、電話での吃音や難発を克服することができます。

挨拶時の吃音と難発をコントロールするテクニック

この章では、挨拶や自己紹介などの日常的な場面で、難発性吃音に悩む人がよく遭遇する問題と、それを克服するためのテクニックを紹介します。

挨拶はコミュニケーションの第一歩ですが、難発性吃音の人にとっては、最も苦手な場面の一つかもしれません。

しかし、挨拶を上手にできれば、自信がつき、相手との関係もスムーズになります。そこで、挨拶時の吃音と難発をマネージするためのテクニックをご紹介します。

難発性の吃音が挨拶で出やすい理由

難発性の吃音とは、言葉の最初の音や母音を発することが困難な状態です。

例えば、「こんにちは」と言おうとして、「こ…こ…こ…」と繰り返したり、「あ…あ…あ…」と詰まったりすることがあります。難発性の吃音は、ストレスや緊張、恐怖などの感情が原因で起こることが多いです。

挨拶は、初対面の人や目上の人に対して行うことが多く、自分を評価されると感じたり、失敗したらどうしようと不安になったりする場面です。そのため、難発性吃音の人は、挨拶で緊張しやすく、吃音が出やすくなります。

テクニック1:自信を持つための心理的テクニック

挨拶時の吃音と難発をマネージするためには、まず自分に自信を持つことが大切です。

自分に自信がないと、相手に対して劣等感や恐れを抱きやすくなります。それが緊張やストレスにつながり、吃音を悪化させます。自信を持つためには、以下のような心理的テクニックを試してみましょう。

【挨拶前にポジティブな言葉を唱える】

例えば、「私はできる」「相手も優しい人だ」「失敗しても大丈夫だ」などです。ポジティブな言葉は自己暗示になります。自分に良い影響を与える言葉を繰り返すことで、気持ちが前向きになります。

【挨拶後に自分をほめる】

例えば、「よく頑張った」「上手に話せた」「相手も笑ってくれた」などです。自分をほめることで、自己肯定感が高まります。自己肯定感が高いと、吃音や難発に対する恐怖心やシャイネスが減ります。

テクニック2:挨拶の言葉を練習する方法

挨拶の言葉は定型文ですから、言い換えることはできません。しかし、それは逆に利用できるところでもあります。吃音は最初の一文字がスムースに出ないことが多いです。そこで、最初の一文字を省略するという方法があります 。

例えば、「おはようございます」なら、「はようございます」というように「お」を省略します。「ありがとうございます」なら、「りがとうございます」というように「あ」を省略します。「お先に失礼します」なら、「先に失礼します」というように「お」を省略します。

この方法は実践している人が多く、効果は高いようです 。いつも耳にする定型文なら、多少違う言葉でも、聞く側はいつもの定型文だと認識してくれます。もし相手に失礼だと思われるかもしれないと不安になる場合は、笑顔と明るさでカバーしましょう。

挨拶の言葉を練習する方法としては、以下のようなものがあります。

  • 鏡の前で自分の顔や口元を見ながら挨拶する。表情や発声の確認ができます。
  • 録音機能やカラオケアプリなどで自分の声を録音して聞き返す。発音やイントネーションの改善ができます。
  • 親しい人やペットに向かって挨拶する。リラックスした状態で練習できます。

名前の発音に挑戦:吃音と難発を管理するテクニック

名前を言うことは、自分を紹介する最初のステップです。

しかし、難発性の吃音を持つ人にとっては、名前を言うことはとても苦痛なことかもしれません。名前や固有名詞は、他の言葉と違って代用できないからです。

電話で名前を言わなければならない時や、初対面の人に挨拶する時に、名前が出てこないとどうしたらいいのでしょうか?

ここでは、難発性の吃音が名前や固有名詞で出やすい理由と、それを管理するためのテクニックを紹介します。

難発性の吃音が名前や固有名詞で出やすい理由

難発性の吃音は、脳の言語中枢と口腔筋肉の連携がうまくいかないために起こります。

難発性の吃音は、ストレスや緊張、期待感などの感情的な要因に影響されやすく、特に自信がないときやプレッシャーがかかるときに悪化する傾向があります。

名前や固有名詞は、他人から注目されることが多く、自分のアイデンティティを表す重要な言葉です。

そのため、名前や固有名詞を言うときには、自分を評価されると感じたり、失敗することを恐れたりすることがあります。これらの感情は、難発性の吃音を引き起こす要因になります。

テクニック1:名前の音節を分ける

名前の発音に苦戦する場合、一つの方法は、名前の音節を分けて言うことです。例えば、「山田太郎」という名前なら、「ヤ・マ・ダ・タ・ロウ」というように、一つ一つの音節に区切りを入れて言います。

これにより、一気に言おうとするプレッシャーが減り、口腔筋肉に余裕が生まれます

また、相手にも自分の名前を聞き取りやすくする効果があります。ただし、この方法はあくまで一時的な対処法であり、長期的には自分の名前に慣れることが必要です。

テクニック2:名前の発音を練習する方法

自分の名前に慣れるためには、日常的に名前の発音を練習することがおすすめです。練習方法は以下の通りです。

1 鏡の前で自分の顔を見ながら、自分のフルネームをゆっくりと発音します。声に出すことで、自分の名前に対する感覚を高めます。

2 次に、自分のフルネームを普通の速度で発音します。鏡で自分の口元や表情をチェックしながら、リラックスした姿勢で話します。

3 最後に、自分のフルネームを少し早めに発音します。流暢さや自信を感じるように心がけます。

この練習を毎日数回行います。練習中は、自分の名前に対するネガティブな感情や思考を避けるようにします。

このようにして、自分の名前の発音に慣れていくことで、挨拶や電話で名前がでないという問題を解決することができます。

難発性吃音の日常的な練習やトレーニング

この章では、難発性吃音を持つ方が、挨拶や自己紹介などの日常的な会話で困らないようにするための練習やトレーニングについて紹介します。

難発性吃音は、言葉を発する際に、音や音節の繰り返しや引っかかり、長い間止まってしまうなどの現象を指します。

難発性吃音は、生まれつきのものや、ストレスやトラウマなどの心理的な要因によって引き起こされる場合があります。

難発性吃音は、完全に治すことは難しいですが、練習やトレーニングを通して、自信を持って話すことができるようになることは可能です。

難発性吃音の改善に向けた練習の重要性

難発性吃音を改善するためには、まず自分の話し方に対する意識を変えることが必要です。多くの場合、難発性吃音を持つ方は、自分の話し方に対して否定的な感情を抱いています。

例えば、「自分は話せない」「人前で話すと恥ずかしい」「人に迷惑をかけている」といった思いがあります。しかし、これらの思いは、さらに吃音を悪化させる原因となります。

そこで、自分の話し方を受け入れることが大切です。自分は難発性吃音を持っているという事実を認めることで、自分に対するプレッシャーや恐怖感を減らすことができます。

また、自分の話し方に対して肯定的な感情を持つことも重要です。

例えば、「自分は話したいことがある」「人とコミュニケーションを取りたい」「人に伝えたいメッセージがある」といった思いを持つことで、話すことへのモチベーションや楽しさを高めることができます。

このように、自分の話し方に対する意識を変えることは、難発性吃音の改善に向けた第一歩と言えます。

テクニック1:日常的なフレーズの練習

次に、日常的な会話でよく使われるフレーズを練習することがおすすめです。例えば、「こんにちは」「おはようございます」「お名前は何ですか?」などの挨拶や自己紹介のフレーズです。

これらのフレーズは、会話の始まりや終わりに使われることが多く、相手に印象を与える重要な役割を果たします。しかし、難発性吃音を持つ方は、これらのフレーズを発することに苦労することがあります。そこで、以下のような方法で練習してみましょう。

  • 鏡の前で自分の口元を見ながら、ゆっくりと発音する。
  • 音声録音アプリやカセットテープなどを使って、自分の声を録音して聞き返す。
  • 家族や友人など、信頼できる人に話しかけて、フィードバックをもらう。

これらの方法は、自分の発音や声の調子を客観的に把握することができます。また、自信を持って話すことができるようになります。

テクニック2:音声療法や専門家の助けを利用する方法

もう一つのテクニックは、音声療法や専門家の助けを利用する方法です。音声療法とは、吃音に対して行われる治療法の一つで、呼吸法やリラクゼーション法などを学びます。音声療法士や言語聴覚士などの専門家が指導してくれます。音声療法では、以下のような効果が期待できます。

音楽療法で期待できる効果

・吃音の原因やメカニズムを理解することができる。
・吃音に対する恐怖やストレスを減らすことができる。
・吃音を改善するための技術やコツを身につけることができる。

音声療法は、個人やグループで行われることがあります。また、オンラインで受けることも可能です。自分に合った方法を選んでみましょう。

難発性吃音のテクニックの改善

ここでは、難発性吃音の方が日常生活でよく遭遇する挨拶や電話で名前を言うときに、上手く話せるようになるためのテクニックを紹介します。

ここで紹介するテクニックを実践すれば、吃音になりにくくなり、自分の言いたいことをスムーズに伝えられるようになるでしょう。

上手く話せるテクニックが自信になる

上手く話せるテクニックとは、主に呼吸法や発声法、発音法などの物理的な方法です。

これらのテクニックは、吃音の原因となる筋肉の緊張や息切れを解消し、声帯や口腔の動きをスムーズにすることで、言葉が出やすくなります。

例えば、呼吸法では、深くゆっくりと息を吸ってから話すことで、息が途切れずに一定のリズムで話せます。また、発声法では、喉の奥から声を出すことで、声帯の振動を強めて声が出やすくなります。

さらに、発音法では、口角を上げて笑顔にすることで、口腔の筋肉が緩んで発音がしやすくなります。これらのテクニックは、練習すればするほど効果が高まります

上手く話せるようになると、自分の能力に自信が持てるようになります。自信があると、人と話すことが楽しくなります。

楽しく話すことができれば、さらに自信がつきます。このように、上手く話せるテクニックは、自信を育てるサイクルを作り出します

根本的改善にはテクニックより成功体験による自信が大事

しかし、上手く話せるテクニックだけでは、難発性吃音を根本的に改善することはできません。

難発性吃音は、物理的な問題だけでなく、心理的な問題も大きく関係しています。つまり、吃音に対する恐怖や不安がある限りは、どんなにテクニックを使っても完全に解決することは難しいのです。

では、どうすれば心理的な問題を克服できるのでしょうか?答えは、成功体験による自信です。成功体験とは、吃音に関係しない分野でも自分の能力や価値を認められる経験のことです。

例えば、趣味や仕事で成果を出したり、人から褒められたりすることです。成功体験を積むことで、自分に自信がつきます。自信がつくと、吃音に対する恐怖や不安が減ります。恐怖や不安が減ると、吃音も減っていきます。

まとめ

この記事では、難発性吃音に悩む方が、挨拶や名前を言う際に上手く話せるようになるためのテクニックについて紹介しています。吃音は、物理的な問題だけでなく、心理的な問題も大きく関係しているため、テクニックだけでなく、成功体験による自信も重要です。

自分の話し方に対する意識を変え、呼吸法や発声法、発音法などの物理的な方法を練習することで、吃音の改善を目指しましょう。

また、この記事では、名前の発音に苦戦する場合には、名前の音節を分ける方法や、日常的に名前の発音を練習する方法についても紹介しています。これらの方法を実践することで、名前や固有名詞を言う際に自信を持ち、吃音を改善することができます。

吃音は完全に治すことは難しいですが、練習やトレーニングを通して、自信を持って話すことができるようになることは可能です。この記事で紹介されたテクニックを実践して、自分の話し方に対する意識を変え、吃音を改善しましょう。

なおき

3歳の頃から吃音を発症。

日本吃音協会で同じ吃音者と出会い「同じ吃音者でも様々な意見や価値観の人がいる」と知りました。

吃音悩む人が少しでも少なくなればいいと思い、記事を作成しています。

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