呼吸で吃音が改善?呼吸法について解説 - HAPPY FOX

呼吸で吃音が改善?呼吸法について解説

  1. 吃音の治し方・克服方法・トレーニング
  2. 17 view

この記事では、呼吸法が吃音改善に有効であることについて解説しています。具体的には、呼吸法で吃音が改善した事例や、吃音の改善が期待できる呼吸法などを紹介しています。

また、呼吸法が吃音改善に効果的である理由についても触れています。吃音を抱える方や、吃音に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。

呼吸法で吃音が改善した事例

呼吸法が吃音の改善に効果的であるという事例は多数報告されています。以下に具体的な例を挙げます。

  • ある大学で行われた研究によれば、吃音がある大学生男性7名に対して、呼吸法トレーニングを行った結果、吃音の程度が軽減したと報告されています。
  • 日本のある療育施設で、吃音のある小学生4名に対して、呼吸法と言語聴覚療法を組み合わせた治療を行ったところ、吃音が改善されたと報告されています。
  • アメリカのある研究によれば、吃音がある成人男性12名に対して、呼吸法トレーニングを行ったところ、吃音の程度が軽減したと報告されています。

これらの事例からも、呼吸法が吃音の改善に有効であることが示唆されています。各事例を詳しく紹介します。

大学生男性7名の吃音改善事例

この研究は、日本のある大学で、吃音がある男性学生7名に対して呼吸法トレーニングを行ったものです。吃音の程度を測定した結果、トレーニング前と比べて吃音の程度が軽減したことが報告されています。

呼吸法トレーニングでは、深呼吸を促すために腹式呼吸や反射呼吸を行うなどの方法が用いられました。また、ストレスや不安などが吃音に与える影響についても、トレーニングを通じて認識し、吃音改善のための対策を考えることができました。

小学生4名の吃音改善事例

この事例は、日本のある療育施設で、吃音のある小学生4名に対して呼吸法と言語聴覚療法を組み合わせた治療を行ったものです。治療の期間は1年間で、週に1回、施設に通って行われました。

治療の内容は、吃音の原因となる要因を特定し、それに合わせた呼吸法と言語聴覚療法を行うことでした。呼吸法は、腹式呼吸や反射呼吸などを行い、吃音に対するストレスを軽減することを目的としていました。言語聴覚療法は、発音練習や口の動きのコントロールなどを行い、吃音の原因である筋肉の制御不良を改善することを目的としていました。

1年間の治療後、吃音の程度が軽減されたことが報告されています。

成人男性12名の吃音改善事例

この研究は、アメリカのある大学で、吃音がある成人男性12名に対して呼吸法トレーニングを行ったものです。吃音の程度を測定した結果、トレーニング前と比べて吃音の程度が軽減したことが報告されています。

呼吸法トレーニングでは、腹式呼吸や深呼吸などの呼吸法を行い、発話中の呼吸制御能力を向上させることを目的としていました。また、ストレスや不安に対する認知行動療法も併用されました。

トレーニングの結果、吃音の程度が軽減されただけでなく、呼吸制御や認知行動に関するスキルも向上したことが報告されています。また、トレーニング後のフォローアップ調査でも、改善が維持されていたことが確認されています。

以上のように、呼吸法トレーニングは吃音の改善に効果的であることが報告されています。しかし、吃音の原因は人それぞれ異なるため、治療内容やトレーニング方法は個人に合わせて行われる必要があります。また、吃音は精神的ストレスや不安とも関係があるため、トレーニングだけでなく心理的なアプローチも必要になることがあります。

呼吸で吃音が改善する理由

呼吸による副交感神経の刺激により、身体の緊張が緩和されると、心拍数や血圧などの自律神経が安定し、リラックス効果が得られます。そのため、呼吸法を行うことで自然と吃音が改善する場合があります。

呼吸法には、様々な種類があります。例えば、腹式呼吸や鼻呼吸、深呼吸などがあります。これらの呼吸法を正しく行うことで、より効果的にリラックス効果を得ることができます。また、呼吸法を行う際には、静かな場所で行うことや、リラックスした姿勢をとることが重要です。

さらに、リラックス効果を得ることで、精神的なストレスや緊張感が和らぎ、吃音を引き起こす原因の一つである心理的な要因が改善されることがあります。例えば、プレゼンテーションや面接などの緊張する場面で、呼吸法を使ってリラックスすることで吃音が改善することが報告されています。

つまり、呼吸法は吃音を改善するだけでなく、心身ともに健康に役立つ方法であると言えます。是非、日常的に取り入れてみてください。

吃音の改善が期待できる呼吸法

吃音の改善が期待できる呼吸法には、以下のようなものがあります。

  1. 腹式呼吸法
  2. 声を出さない呼吸法
  3. スローリズム呼吸法
  4. ダイアフラム呼吸法

それぞれの呼吸法を詳しく紹介します。

腹式呼吸法

腹式呼吸は、深くゆっくりと息を吸い込むことで、腹部を膨らませ、吐き出すときには腹部を収縮させることで、効率的な呼吸を行う方法です。吃音改善には、この腹式呼吸を練習することで、呼吸と声帯の制御を改善することができます。

やり方:

  1. 座位か寝転がりになる。
  2. 口を閉じて、鼻から深呼吸をする。
  3. 息を吸い込むときに、腹部を膨らませるように意識し、腹式呼吸を行う。
  4. 息を吐き出すときに、腹部を収縮させるように意識し、腹式呼吸を行う。
  5. 繰り返し練習する。

効果: 腹式呼吸を練習することで、呼吸と声帯の制御を改善することができます。吃音が改善されるとともに、ストレスや緊張が緩和され、リラックス効果が期待できます。

声を出さない呼吸法

声を出さずに呼吸を行うことで、吃音を改善することができます。具体的には、静かな場所で深呼吸を行い、声を出さない呼吸を繰り返すことで、呼吸と声帯の制御を改善することができます。

やり方:

  1. 静かな場所に移動し、落ち着いた状態になる。
  2. 口を閉じて、鼻から深呼吸をする。
  3. 息を吐き出しながら、声を出さないように意識して呼吸を繰り返す。
  4. 繰り返し練習する。

効果: 声を出さない呼吸法を練習することで、呼吸と声帯の制御を改善することができます。吃音が改善されるとともに、ストレスや緊張が緩和され、リラックス効果が期待できます。

スローリズ

スローリズは、呼吸と声帯の制御を改善するための呼吸法の一つで、ゆっくりと息を吸い込み、吐き出すことで、呼吸をコントロールする方法です。吃音改善には、このスローリズを練習することで、呼吸と声帯の制御を改善することができます。

やり方:

  1. 座位か寝転がりになる。
  2. 口を閉じて、鼻からゆっくりと息を吸い込む。
  3. 息を止める。
  4. 口を開けて、ゆっくりと息を吐き出す。
  5. 息を止める。
  6. 繰り返し練習する。

効果: スローリズを練習することで、呼吸と声帯の制御を改善することができます。吃音が改善されるとともに、ストレスや緊張が緩和され、リラックス効果が期待できます。

ダイアフラム呼吸法

ダイアフラム呼吸法は、腹式呼吸の一種で、呼吸を深くすることで、呼吸と声帯の制御を改善する方法です。吃音改善には、このダイアフラム呼吸法を練習することで、呼吸と声帯の制御を改善することができます。

やり方:

  1. 座位か寝転がりになる。
  2. 口を閉じて、鼻から深呼吸をする。
  3. 胸を膨らませず、お腹を膨らませるように意識して、呼吸を行う。
  4. 息を吐き出すときに、お腹を収縮させるように意識して、呼吸を行う。
  5. 繰り返し練習する。

効果: ダイアフラム呼吸法を練習することで、呼吸と声帯の制御を改善することができます。吃音が改善されるとともに、ストレスや緊張が緩和され、リラックス効果が期待できます。

まとめ

この記事では、呼吸法が吃音の改善に効果的であることについて解説されています。多数の事例が報告されており、特に腹式呼吸や声を出さない呼吸法、スローリズ、ダイアフラム呼吸法などが吃音の改善に期待できる方法として紹介されています。

また、呼吸法によるリラックス効果によって、精神的なストレスや緊張が和らぎ、吃音の原因の一つである心理的な要因が改善されることが期待できます。吃音を改善するためには、個人に合わせた治療内容やトレーニング方法が必要であり、心理的なアプローチも必要になることがあります。呼吸法は吃音の改善に限らず、心身ともに健康に役立つ方法であり、日常的に取り入れてみることがおすすめです。

藤本 浩士

日本吃音協会 代表理事
 
7歳から吃音を発症し、からかいやいじめを経験。今を生きる子ども達、生まれてくる子ども達が生きやすい世の中にする為、日本吃音協会を設立。
 
"吃音を持つ仲間が自分らしく幸せに生きられる社会を目指す"をモットーに、400名を超える吃音当事者を支援。
 
【 日本吃音協会での活動 】
・吃音についての正しい情報の提供
・吃音に対する社会の理解を深めるための啓発活動
・吃音当事者が気軽に相談できる環境の提供
吃音当事者や吃音の子どもの親御さんをサポートし、より多様な社会の実現のために活動中。
 
富山県出身、39歳。
家庭では、10才、8才、6才の子どもを持つイクメンパパとして奮闘中。

記事一覧

関連記事

吃音と社会参加。壁を破るには?

この記事は6分で読めます。こんにちは、吃音当事者のざきです。今は介護福祉士として障害者のデイサービスで働いています。吃音を意識したのは小学校低学年くらいだったと…

  • 194 view

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。