吃音はあなたを輝かせてくれるもの。私の人生を変えた話(2) - HAPPY FOX

吃音はあなたを輝かせてくれるもの。私の人生を変えた話(2)

  1. 吃音の体験談
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独立して、コンサルタント業とセミナー業をしている、ういと申します。吃音を「あなたを苦しめるもの」から「あなたの良さとして輝かせてくれるもの」にしたい。そんな思いで、今回この場をお借りして書かせていただきたく思います。

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吃音がマシになるように、沢山の工夫を重ねた。

吃音がマシになるように、沢山の工夫を重ねた。
写真はイメージです。

吃音との孤独な闘いの中で、自然と身についてきたものがありました。

それは、少しでも吃音がマシになるように工夫をすることです。

生活を送っていると、どうしても話さなければいけない場面があります。そんな時に話し方をバカにされるのが本当に嫌でした。

また、吃音が出ると喉が詰まって窒息しそうになり、苦しくて耐えられませんでした。言いたいことが伝わらないのも大変悲しいものでした。

それらを避けたいと思うあまり、どうやったら少しでも吃音がマシになるかを自分なりに工夫をするようになりました。

身振り手振りで、さりげなく伝えてみたことがあります。また、早口で吃ると、本当に泣きたくなりますから、 あえて別人かのように慣れない低い声でゆっくり話してみたこともありました。

また、吃ってる時の口や唇の動きを見られることや、相手が気持ち悪がってる表情を見てしまうことを恐れて、ノートやメモ帳に伝えたいことを図で書いて話したこともありました。そうすると、相手や自分の目線が図に移動するからです。

吃りにくい単語を探したり、吃りやすい言葉を言い換えたりもしました。

話してる時に、息継ぎをする場所の工夫をしたり、まるで歌を歌ってる意識で話したりもしました。 これらは、吃音当事者にとっては、よくある工夫ではないでしょうか。

吃音があっても、 なんとかなるかもしれない。 かすかな希望を覚えた。

吃音があっても、 なんとかなるかもしれない。 かすかな希望を覚えた。
写真はイメージです。

本当に伝えたい内容よりも吃らないことや吃って嫌な思いをしないことのほうが、なにより優先されました。

その目的達成のため、それはもう、かなり脳みそをフル稼働させていました。それでも、相手に少し首をかしげられたり、ちょっと変わった人だと思われるくらいで済むなら、大した問題ではありませんでした。

工夫を重ねても、ほとんどの場合は吃りました。しかし、吃ったり、少しカバーできたつもりになったりを繰り返すうちに、段々と状況が良くなっていった気がします。

「吃音があっても、なんとかなるかもしれない。」

良くやっている自分自身を認められたことが少し嬉しかったです。そして吃音について、かすかに希望を持つこともできました。

吃音が出ても、自分も周囲も気づいていない!?

吃音が出ても、自分も周囲も気づいていない!?
写真はイメージです。

このあたりで、なんとなく「吃音があっても、苦しみだけではないのかもしれへん」と思うことができました。

実は、ここからが私が一番伝えたいことなのです。

先に書いた、吃音が「あなたを苦しめるもの」から「あなたの良さとして輝かせてくれるもの」になった、自分の吃音に関しての大きな変化についてお話したいと思います。

今、あなたが吃音で苦しい思いをしているなら、 お聞きしたいことがあります。

「吃ることそのものが嫌なのか?」それとも「吃って自分が辛い思いをすることが嫌なのか?」

どっちもだ!と言いたいところかもしれませんが、実は明白な違いがあることに、ここ1年程で気づきました。

今の私は自分が吃音の当事者であることを忘れていることが多々あります。

しかし、今でもほぼ毎回確実に吃っています。

自分が登壇したセミナーや講演などを録画した動画を見返せば、吃っていない時はありません。

それも、1~2回ではなく何度も吃っています。

それなのに、吃ったその時に私は気づいていないのです。周囲も、だいたい気づいていないようです。

つまり吃っても、吃ったことになってないのです。

そのレベルは、 あとから客観的に動画を見直して「こんなに吃ってたわ!」と驚くほどです。

吃っているはずなのに、なぜか喜ばれている…!!!

吃っているはずなのに、なぜか喜ばれている…!!!
写真はイメージです。

そんな調子ですから、吃音ったその時に落ち込んだり、嫌な思いをしたりすることが全くありません。

お金をいただいて話をする場であっても、わたしが吃ることで一切クレームがきたこともありません。

吃りを指摘されたことも、ほとんどありません。

逆に、吃音のことを伝えると、いいね!や感動のメッセージをたくさんいただきます。

吃っても、誰からもバカにされない。そして、吃っているはずなのに、なぜか喜ばれている…!!!

かつて、まったく信じられなかったそんな世界が、実際に起きているのです。もし、子供の頃の私が今の状態を知ったら、泣いて喜ぶでしょう。  

しかし、そうなることをゴールに色々と頑張ってきたのではありませんでした。

正直を言うと、たまたまできたことです。 しかし、そうなる可能性は誰にでもあると断言できます。

それは、何か特別な条件や訓練を受けたとか、私でないとできないことをしたというわけではないからです。(うい)
(つづく)

日本吃音協会(SCW)

吃音への認知・理解はいまだに不足しており、 吃音を持つ人のなかには
「自分の人生は素晴らしい。幸せだ。」 と思えない人も少なくありません。
私たちは、SCW (Stuttering Change The World =吃音が世界を変える)を
活動スローガンとしてその輪を広げることで、言葉の病気に対しての理解が不足している 社会を変え、吃音を持つ仲間が 幸せに生きることができる 社会をつくっていきます。
*当事業の売上はすべて吃音啓発活動や社会貢献活動に使われます。

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