TBSテレビ「水曜日のダウンダウン」の 放送内容に抗議文書を お送りした件につきまして

2022.08.22

当協会より、令和4年7月6日TBSテレビ(以下:TBS)で放送された「水曜日のダウンダウン(以下:水ダウ)」という番組の放送内容について抗議を行った経緯を略儀ながらご報告させていただきます。

 

 まず全体の経緯から申し上げますと、「水ダウの番組制作において、番組を見ている吃音当事者を嘲笑するかのような表現行為が差別にあたり人権侵害に発展するもの」と判断した為に、今回抗議に至った次第です。
 
 水ダウ番組内では
・インタレスティングたけし氏(以下たけし氏)が吃ったタイミングで「変な奴やな」と揶揄した発言をあえて取り上げた点

 

・たけし氏の連発症状を見て出演者が笑っている様子を切り取った点

 

 など、この様な制作及び編集作業をすることが、吃音当事者及びその家族に対し、無理解・偏見を加速させ、吃音当事者へのいじめや精神的被害を発生させる恐れがあることを危惧したものでございます。

 

 本件番組は人気番組であり、社会的影響がとても大きく、特に10代、20代の学生さんに対する悪影響が懸念されました。結果、当事者に対していじめや精神的被害を加速する可能性を懸念し、再発防止の観点から抗議文書の送付を行いました。

 

昨今、今回の放送内容の一部にありますような障害や病気に対する無理解や偏見によって、精神的に追い込まれ自殺するような悲しい事件も発生しております。
 

このような悲しい出来事が実際に起きている中で,当該番組の放送内容のような吃音当事者に対する関わり方、つまりは吃音という病気への無理解が世間に放置され続ける事を考えたとき、私たちは今回の放送を見過ごすことができませんでした。
 
 一方では、当協会が抗議文を出すことでたけし氏に対し、御迷惑をお掛けしたと認識をしております。


 むろん、私たちはたけし氏の活動をこれまでも応援をしており、今回の抗議はあくまでもTBS社内における、障害や病気に対する無理解に基づいた制作作業と編集作業に向けたものであり、たけし氏に向けたものでは決してありません。


 これまでの一連の経緯の中で、たけし氏には、今回の抗議の目的と趣旨を、私どもから説明をした上で、謝罪をさせていただき、ご理解をいただきました。

 

 また、今後コロナの状況が落ち着き次第、改めてたけし氏には直接お会いさせていただきお詫びのうえ、懇談の機会をいただく予定です。
 
 今回の抗議文書提出後に、TBSの担当ディレクターの方々が当協会事務所を訪問頂き、直接のお話し合いの機会を持ちました。吃音の症状に関する専門的な事柄や、具体的に番組のどの表現方法が吃音者に対して不適切だったのかなど、お互いの認識の擦り合わせを忌憚なく行う事ができました。


 TBS側からは、今後の番組制作や編集にあたり、今回の抗議文書と、話し合いの内容を真摯に受け止めて、当事者の方々を傷付けることがないように配慮していく旨のお返事もいただきました。
 このような当該番組ディレクターはじめTBS社の皆様の誠実な対応に対して、改めまして協会として感謝を申し上げます。
 

 当法人は、吃音者が自分らしく、幸せに生きられる社会をつくるために、今後も様々な活動に取り組んで参ります。

 

 吃音当事者も吃音の非当事者も、十人十色の様々な考え方があり、他者の考えや価値観をお互いに尊重しあう中で、誠実で未来思考な対応を協会として心がけて参ります。
 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。